本書は2002年大阪府立大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程博士論文「占領期社会事業従事者養成におけるケースワークの導入目的とその意義」を修正・補筆したものである。まずはケースワークの導入が日本と占領軍の社会事業関係者の共同によって行われたことを確認し、その上でケースワークの導入の目的を検討した。結論としてそれは戦前から日本の社会事業従事者に刻印されてきた「慈恵精神」の克服にあり、さらにそこには新たな福制制度にふさわしい社会事業従事者を創出するという意義があったことを述べた。