本稿では、生殖医療をめぐるドイツの法的ルールとそれに関する議論について概観し、若干の検討を加えたうえで、生殖医療技術には様々な問題点があり、一定程度の規制は必要だが、単に倫理的に良くないというだけで規制するなど、法益保護が根底にない禁止は行き過ぎであること、出生前診断、着床前診断、(商業主義を除く)代理母については、現時点では、保護法益や処罰根拠が不明確であり、刑事規制は妥当でないことを主張した。(P195~P211)