ドイツでは、胚保護法が改正され、着床前診断を刑罰をもって規制する条文が設けられた。本稿ではその立法の契機となった判決と立法に至るまでの議論を紹介し、ドイツの立法の内容を検討した。そのうえで、着床前診断を法律で原則として禁止しつつ、一定の例外を認めるドイツの規制の仕方は妥当であり、日本にとっても模範になるが、刑事規制については必要性も妥当性もないことを主張した。