本書は、チェコ17世紀の思想家ヨハネス・コメニウスの人生、哲学、教育、言語、政治、宗教、後代の受容を扱った日本初の本格的な概説書である。コメニウスは、19世紀以降、国民教育制度の成立のなかで、もっぱら教育思想家として扱われてきた。とくに政治や宗教など、これまで十分に光が当てられてこなかった側面に論及し、そのうえでコメニウスの思想の本質的に教育的な性格を論じた。