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本論文は、教育思想史学会第33回大会シンポジウムへのコメント論文である。概要は次のとおり。 宗教と教育の関係は、教育概念が狭隘なそれに陥らないために、思想史的に探求されるべき重要なテーマだろう。パネリストの労に感謝したい。ただ、近代仏教の歴史的特性をより明確に示すためには、近世日本の思想運動との関係が論じられてよかったように思われた。また、シンポジウムでとりあげられた群像において、教養と信仰の関係、理念と現実、イデアリズムとリアリズムの関係がどのようにとらえられていたのか、その先を聴きたかった。近代仏教の動因である仏教研究の進展によって、仏教のテキスト的地平は変容している。そこから近代仏教とそれに基づく教育がいかにとらえられるかも課題だろう。 |