17世紀チェコの思想家コメニウスは、1642年にデカルトと邂逅し、その後、次第にその哲学説への批判を強めていった。本稿は、コメニウスの小論『機械工によって反駁されたデカルト並びにその自然哲学』の全文試訳を付し、真空の否定に至ったデカルトの自然学説を、コメニウスが当時の科学研究の動向を踏まえて批判したことを明らかにした。