中原中也の第2詩集『在りし日の歌』前半部の詩篇の配列ついて、最終決定に至るまでの経緯や、内容に共通する〈女〉や〈眼〉の表象に着目して分析することにより、『在りし日の歌』第1セクションの前半部から、恋愛をめぐる青春への追憶というモティーフを抽出した。また、そうしたモティーフがこの詩集の抒情性を、言葉の音楽性を演出する技法として如何に効果的に機能しているかを、詩篇を詳しく読解することによって明らかにした。