中原中也が有する多義的な〈道化〉としての側面が、空に浮遊する〈死児〉のイマージュに象徴される〈幻視〉と関わりながら、最晩年の「一つのメルヘン」「春日狂想」という性質の異なる二つの詩世界に結実していることを指摘した。