本稿は、行政法分野で存置されている法規命令と行政規則という区分の前提をなす「法規」概念の、日本国憲法下での憲法理論としての成立困難性を指摘した。「規範具体化行政規則」の正当化を試みる諸学説を批判的に検討した結果、裁判所が行政が制定した規範に拘束されるとすれば、それはその規範の制定を授権した法律に基づくに過ぎないとの結論を提示した。