キーワード:非行少年 質問紙法 刺激興奮性 本研究では,非行的場面を報酬刺激と罰刺激を含む場面ととらえ,そうした場面への接近傾向と抑制傾向の個人差を質問紙法によって測定するとともに,非行接近/抑制傾向と非行行動との関連について構造方程式モデリングを用いて検討した。その結果,自己中心性や刺激興奮性などの非行接近傾向が強い者ほど多くの非行行動に走る傾向が見られた。一方,非行抑制傾向は神経症傾向と密接な関連があり,非行行動を直接低減させることにはつながっていなかった。