子どもの貧困問題を子どもの権利の視点でとらえていくことの重要性について、社会的養護で育った当事者の「声」、意見表明・参加の権利に焦点をあてた論文。当事者の「声」が貧困という経験のなかで、いかに失われているか、その「声」の回復のためには何が必要とされるのかを論じている。子どもの貧困問題の再発見から10年経過したなかで、この10年間の政策・実践・研究を批判的に検討し、“子どもの貧困を議論する枠組み”を提供するシリーズ・子どもの貧困第1巻『生まれ、育つ基盤──子どもの貧困と家族・社会』第12章にあたる。(p.309-p.338)