児童養護施設等で育つ子どもに配布されている『子どもの権利ノート』が果たすべき役割のうち、「社会的養護で育つ子どもに『まもられるべき権利』があることを伝え、社会的養護で育つなかで保障される権利について教える」というものがある。それらの役割が、『権利ノート』においてどのように具体化されているか、記述されているのかを、54自治体100冊の『権利ノート』の導入部分のテキスト分析を通じて明らかにした論文。権利条約にもとづいて権利を説明する自治体の増加した一方で、配布対象および年齢によって、権利条約に基づく説明の違い、権利と義務が一緒に説明されていることの課題性を指摘した。