人は身近な人を亡くしても、なお生きていく。身近で大切な人を亡くすという経験は辛く悲しい経験であろうが、本当に辛く悲しい経験でしかないのだろうか。近年、ストレスフルな体験をした後の変化として、レジリエンスが注目を集めているが、本研究では、死別経験後のレジリエンスについて検討する。2005年にがんで近親者を亡くされた方18名(男性8名・女性10名)に対し半構造化面接を実施した。そして①死別に対する積極的関与、②死別に対する主体的位置づけの2つから分類を試みた(渡邉・岡本,2006)が、その際のデータをレジリエンスの視点から再分析を行った。