本研究では,10代から30代の若年ケアラーに着目し、質的量的両面からの分析により,若年ケアラーの実態を明らかにすることを目的とした。現在の「ヤングケアラー」の研究成果では,ヤングケアラーの危機的側面が強調されているが,生涯発達の視点に立ち、若年ケアラーの語りを分析した結果,若年ケアラーの経験が人生において否定的な意味をもたらすだけではなく,肯定的な意味ももたらす可能性が示された。