本論文では、ヤングケアラーについて概説した上で、①障害児・者のきょうだい、②小児がん患児のきょうだい、③障害や病気の親を持つ子どもに関する研究をヤングケアラーの視点から捉え直した。その結果、ヤングケアラーとして、ケアに参加することの重要性が示された。また、ヤングケアラーはケアする存在であると共にケアされる存在でもあることを述べ、医療関係者や学校関係者がヤングケアラーをケアするために、学校関係者ががんや悲嘆について理解を深めること、医療関係者から学校関係者へ切れ目ない支援ができるような仕組みづくりが必要であること、学校教育において児童生徒と保護者にヤングケアラーという存在を広く伝えること、援助要請力を醸成することの必要性を示した。