〔目的〕尿失禁を経験した女性の尿失禁への思いや対処行動を明らかにし,さらに骨盤底筋体操を実施できるよう支援方法を見いだすことである.〔対象と方法〕尿失禁を経験した中高年女性11名(平均年齢60.1±4.0歳),質的的記述研究.〔結果〕4項目に対して10カテゴリー,18コードが抽出された.<発症時期>は「出産後」「閉経前後」で,状況は<筋力低下による要因><環境による要因>,経験した時の思いは<尿失禁の受け止め><ポジティブ思考><ネガティブ思考>,対処行動は<消極的対処><積極的対処>,骨盤底筋体操については<体操の思い><体操の実施行動>であった.〔結語〕尿失禁に対する思いは老化によるもので仕方ないと捉える反面.羞恥心を持ち何とかしたいと考えていた.また,骨盤底筋体操については効果を認識していたが,方法については十分理解していないことが示唆された.