キーワード:一切悪趣清浄儀軌、カーマデーヌ この註釈は、全編引用経軌を用い論証されており、『倶舎論』をはじめとする大乗経典から無上瑜伽タントラまでの経軌が引用されている。その引用箇所を可能な限り指摘した(103箇所)。大きな特徴は『大日経』『金剛頂経』の引用が他を圧し、この2つの経典が密教理解の柱になっていることを指摘。著者は密教史の中で取り上げられなかった人物であるが、ツォンカパが彼の註釈を基に割り注を著わしており、少なからず影響を与えた人物であろうことを指摘した。