キーワード:一切悪趣清浄儀軌、カーマデーヌ 本註釈の序文までを用い、『倶舎論』、『大乗荘厳経論』『宝積経』などの大乗経典を依用し、密教経典は『大日経』、『金剛頂経』などを多く依用している。このことから、彼は伝統的な仏教理解の基本とし、さらに密教の付加価値を述べようとする意図があったことを指摘したとともに、密教思想のベースになった大乗経典の一部を明らかにした。