キーワード:イギリス 調査委員会 官吏 行政組織改革 近代化 本論文では、近代イギリスにおける官僚制度改革の漸進を支えた社会的メカニズムを解明するため、調査委員会の活動とそれに対する官僚たちの反応を分析した。委員会の面談や投書に表れた現場の官吏たち、つまり「受動」側の対応がもつ切実さや説得力は、改革を推し進める委員会や議員といった「主動」側が改革案を再調整しつつ、行政機構の「近代化」を推し進めるために必須の要件であった。