キーワード:パトロネジ 旧き腐敗 近代化 贈与 イギリス 官僚制度 贈与・互酬関係のひとつとしてイギリスにおける官僚へのパトロネジに対するイメージが、改革者および現場の官僚たちの間でいかに変容したかを分析した。それを通じ、「旧き腐敗」として排除されたはずの「前近代」的制度が能力主義的な理念を応用しつつ、その形態や後援母体を変え、「近代化」された制度に順応していく様子を考察し、「近代化」の漸進過程が、社会制度や理念の単なる刷新ではありえなかったことを示した。