キーワード:法然,醍醐本,三心料簡および御法語,願往生心 本論文は2005年発表の論文において紙数の関係上掲載できなかった問題等について展開したものである。まず『選択集』および『逆修説法』から法然浄土教における願往生心が衆生の能動的心であることを押さえ、これが「三心料簡および御法語」の第一条の内容と異なること、また第三条とも異なることを指摘。さらに第四条と第十四条では「雑行心」の内容規定をめぐって齟齬をきたすことを指摘。