キーワード:法然, 二種深信, 信機, 信法 法然浄土教における三心中、深心は二種深信として多く先学によって論じられてきたところである。しかしながら、そうした論の多くに見られる信仰の矛盾と葛藤といったことについては法然遺文に見られず、その説示は、自身を卑下し本願を疑わない為とするものである。よってここには法然の説示と現代浄土学の深心理解の差異が指摘できるのであるが、これこそが人間洞察を深めるという浄土学の特質を示すものであると考察。