キーワード:法然,身体,六根 法然浄土教の人間観に関する先行研究は、人間存在の凡夫性ということの指摘に終始しているが、本論文では法然が様々な局面で極めて具体的に人間の身体的存在について説いていることに着目し、その意義について考察した。法然浄土教において人間の身体とは、煩悩の拠り所でありながらも、仏と凡夫の共通する存在様式であり、五番相対や三縁を成立させる基盤として極めて重要な要素であることを指摘。