「唐代における倚坐形彌勒佛の流布と武則天」をもとに、一部「奈良国立博物館所蔵 刺繍釈迦如来説法図の主題 ―則天武后期の仏教美術―」の内容を加え、まとめ直したもの。倚坐形弥勒仏は、理想治者を待望する風潮を背景とし、則天武后期を含む唐代前半期において、宗教的・教理的要請よりもむしろ、王権との親近性のなかで展開し広がりをみせた仏教美術であったと結論づけた。