「聖語藏の『寶雨經』―則天文字の一資料―」および「五月一日經『寶雨經』餘滴」の内容を整理し、中文訳してまとめたもの。とくに則天文字の使用状況を調べることによって、聖語蔵本だけでなく敦煌写本やトルファン写本もまた、訳出後一年以内に書写された原本を底本として書写されたものであることを明らかにし、それらが依拠すべき官製の標準として天下に頒布された結果とみられることを指摘し、唐代の仏教文化のあり方を論じた。