ケースは幻覚妄想をもつ中年女性であるが、約一年間のプロセスで15回の箱庭制作を行った。思春期における性的外傷が、自我の強さによる現実検討能力に関わる、外的現実と内的現実の”境界”を侵害したものと考えられた。心的外傷からの回復とケースの持つ創造性について、箱庭療法のプロセスから検討した。