本報告は、人文科学・社会科学諸領域への理論的・方法論的越境を図ることで、日本の<近代仏教>研究の問い直しと更新を目的としたパネルでの報告である。 私は1930年代の新興仏教青年同盟の仏教運動を事例として、宗教集団の政治参加を分析した。結論として、新興仏教青年同盟においては、<仏教>が社会的実践を組み込んだ行動原理として再解釈されたことで、世俗領域への政治的な関与がもたらされたことを指摘し、近代日本の政教関係の動態的な関係性を問い直すための視座を提示した。