本論は、2000年9月の日本印度学仏教学会第51回学術大会での報告をもとにしたものであり、明治中期に在家仏教教団・立正安国会の田中智学が組織した日蓮宗門改革運動を、伝統教団・日蓮宗との関係に注目して分析した。 明治中期の田中の運動は、宗門改革の主張とそのための実践が中心であり、日蓮宗との対抗関係において、在家教団としての自分たちの独自性と主体性を形成し、運動を展開したことを明らかにした。