第1章:国内の全国学力・学習状況調査の結果から見える児童生徒の学力の課題を把握すると共に,現在多くの学校で行われている授業形態と学力との関係に着目し,形態ではなく,主体的な学習や知識を応用した発展的な学習を実践することの重要性,および資質・能力を育成するための発達の段階に応じた教育方法や柔軟な教育方法の重要性を学ぶ。
第7章:「知識」とは何かを認識し,知識の理解と定着を図る授業づくりを考える。特に,理解を深めるには,児童生徒の既有知識や経験等から得た素朴概念(誤概念)を把握し,児童生徒の頭の中でスキーマを形成していくことの重要性を学ぶ。そして,単に解答,解き方を教えるのではなく,間違いに気付かせる,疑問を考えさせる授業の重要性を学ぶ。
第8章:学習意欲が低い,あるいは「言われたことに従って進めるという順守型の思考スタイル」を有する学習者が多く存在するなかで,学習者主体の学習を進めることは容易ではない。ここでは,講義型授業の限界と学習者主体の授業づくりが必要な状況を理解し,それを実現するために「何」を教えるより「なぜ,どうして」を考えさせる知的好奇心を引き出す授業づくりと,このような疑問を持たせることが課題発見解決型授業づくりにおいても重要であることを学ぶ。