本報告では「観光都市」京都を対象とし,2000年代に高まりをみせたセキュリティに対する希求が,都市空間をいかに変容させたのか社会学の立場から考察する。具体的には,観光都市におけるセキュリティと景観をめぐる都市空間の編成が,地域自治会などのミクロな問題関心とマクロな政治経済と接合しながら,いかに「国益」や「観光都市」に資する空間造成へと向かうのか,京都市の繁華街の一つである木屋町を事例に検討する。