本論では,若年層の地域定住志向・都市進出志向と「結束型」および「橋渡し型」のソーシャル・キャピタル(以下, SCと表記)がどのように関連するのかという問題意識に基づき、口丹地域の府立高校を対象とした量的調査を用いて分析を行った。分析の結果,「結束型」SCは地域定住志向を強めるが,「橋渡し型」SCは都市進出志向を強めることが確認された。またこの時,地域での生活資源が多い者ほど地域定住志向を獲得し,少ない者ほど都市進出志向を獲得することも確認された。