目的 すくみ足がパーキンソン病患者のQOLに与える影響を調査すること.方法 28名のPD患者を対象とした.すくみ足は,FOG questionnaire (FOGQ) No. 3,4, Gait and Falls Questionnaire (GFQ) No. 14, MDS-UPDRS part2 No.13, part3 No.11を用いて評価した. また,日常生活における特定の状況でのすくみ足の有無を調べた.各すくみ足の評価結果に基づいて,対象を二つの群に分類した.各群間で,PD questionnaire-39 (PDQ-39)運動項目の得点に差があるかどうかを調べた.結果PDQ-39のトータルスコアは, FOGQ No.3, GFQ No.14,MDS-UPDRS part2 No.13,part3 No.11で分類した群間では有意な差がみられたが,FOGQ No.4で分けた群間では有意差はみられなかった.PDQ-39の下位項目(No.6,7)と GFQ No.14の間には強い関連性がみられた.また,PDQ-39のトータルスコアと,混雑・横断歩道・自動ドアの出入りでのすくみ足の有無の間には強い関連性があった.結論 すくみ足は運動に関連したQOLに大きく影響する.特に,すくみ足による転倒の頻度は,QOLの低下を予測する指標になり得る.加えて,日常生活における特定の状況のすくみ足の有無の聴取は,社会参加を促進するうえで有用であるかもしれない.