本研究は、住民の居住階(上層階・下層階)に着目した孤独死予防について考察した。上層階に住む高齢者は近隣関係が乏しく、住み続けたい意見は少なかった。一方、下層階に住む高齢者は、居住年数も長く、近隣関係は豊かであった。上層階での生活に不便を感じ始めたら、他の地域に転居するのではなく、下層階への転居など、同じ棟内での転居を認めることが重要である。そのことが近隣関係を維持し、住民の社会的孤立を防ぐことにつながり、ひいては孤独死予防になる。