本稿では孤独死の定義の整理を行い、定義付けの視点やその差違を明らかにした。定義の構成要素をみると、看取りの有無、世帯類型、社会的孤立の有無、自殺、発見までの日数の5つの視点で構成されていた。しかし、孤独死研究は研究途上にあり、孤独死問題を明らかにできていない。孤独死の定義の内容は、孤独死の実態や出来事を説明しているに過ぎない。そのため、孤独死の定義というよりも孤独死の言説と言える。