本研究では、高齢者の社会的孤立について、第二次世界大戦後の家族社会学の先行研究を分析し、現代日本家族パラダイムの変容と今後の課題を明らかにした。そして、もっとも近い関係性あるいはケアの担い手が「家族」であるべきというパラダイムをいかに取り払うか、を議論する時代が到来したことを述べた。また、「家族は福祉の含み資産」という家族幻想からなる戦後の「日本型福祉」はすでに終焉したことも述べた。