キーワード:図画工作、素材・対象、イメージ、共通事項、造形遊び
近年、子ども達をとりまく遊びの環境が大きく変わった。コンピューターゲームに代表されるような規格化された遊びが子ども達を取り巻き、素材・対象と対話し、心ゆくまで遊ぶという経験が極端に少なくなった。筆者は、修士論文において、素材・対象と対話する経験の少ない子は、その素材・対象に関する制作において、イメージ形成に困難を感じる傾向があることを確認している。(筆者 2010) 本研究では、素材・対象と対話することを、造形遊びを通して行おうと考えた。造形遊びが、材料に進んで関わることにより、特に発想・構想の能力が培われる内容領域だからである。授業では、まず「表現(1)造形遊び」を実施し、その後、造形遊びで扱ったと同じ素材で「表現(2)立体に表す活動」を実施し、造形遊びと立体造形を連動させることによる子ども達のイメージ形成のありようについて調査した。その結果、グループで行った造形遊びの様々な行為が、子どもの立体造形のイメージ形成を促進する傾向があることが明らかになった。