本研究は,保護者の子育ての肯定的感情を高めると考えらえる要因について把握すること,また,保育者養成段階での取組に着目し,保護者の子育ての肯定感情を高めるための保育者の資質・能力について検討するものである。子育ての肯定感を高める要因として,①子育て世代にとって大切な人がいる,②子育て開始以前に子どもや子育て世代と関わる機会を持つ,③流動的な性別役割意識を持つことが明らかとなった。保育者養成段階での取り組み課題としては,保育施設が子育て支援拠点であることの理解を広め,男女共同参画社会構築の必要性についての理解を深めることにより,保護者の子育ての肯定的感情を高める保育者を養成することの必要性が示唆された。