日本の地方自治制度に住民投票制度が規定されていないことについては、日本には民主政治を使いこなせる「地盤」が存在しないから、と戦後直後の段階では説明されたいた。しかし90年代以降実施されるようになった住民投票の中では、住民たちは争点について学び、議論を重ね、そのなかで投票とその結果に対する責任感を養っていた。このような実績が見られる以上、「地盤」論は過去のものというべきである。(総232ページ)