2001年7月に実施された埼玉県上尾市の住民投票は、さいたま市との市町村合併の可否を問うものであった。いわゆる「平成の大合併」が動きを見せ始めた時期であっただけに、投票の行方は注目された。投票までの過程で最も関心を集めたのは、「合併反対」の立場をとる市長と市行政の姿であった。市行政は事実上の合併反対キャンペーンをはじめており、これが住民投票のもう一つの争点になってしまったのである。(4ページ)