本論文では、夢へのアプローチにおける物語的視点について批判的に検討した。心理療法では夢を物語的に捉えることが多く見られるが、この「物語的視点」では捉えきれないような夢も存在する。その一つが「繰り返し見る同じ夢(何度見ても内容が変化しない夢)」である。このような夢を見た被験者にインタビュー調査を行い、物語的視点とは異なる「夢との関わり」の方法を探った。