本論の目的は,心理療法のパラダイムにおける「関わり」の意義を再検討し,「夢との関わり」という新たな概念を提示することである。まず,「関わり」という概念と密接に関連する「自他の分離」「相互性」というテーマについて検討しそれをふまえて,「夢との関わり」においては,夢見手が「現実性」と「他者性」を持つものとしての夢と相互に関わり合うことが重要であると主張した。