『観経』「華座観」の分科に焦点を当てて考究。善導の分科による華座観には、諸師が後の「観」への導入と位置付けた冒頭の一節が含まれる。これについて、善導が独自の分科を立てた意図を『観経』全体の上で探り、定散二善の釈義を提唱する上で不可欠の論理であったことを論究。その意義は、所説の往生行の中から仏自説の念仏門を確立するに至った点にあることを提示。