善導は、それ以前の諸師が「衆生が往生する浄土は衆生の機根(能力)に相応する」としたのに対し、極楽は高妙な世界であるが、阿弥陀仏の本願力によって人・天・声聞・縁覚・菩薩の五乗が斉しく往生できると説く。これは楽浄土とは阿弥陀仏の本願成就の世界、さとりの世界、真実の世界であり、阿弥陀仏の智慧を強調するということであり、そこに往生できると説くことは、阿弥陀仏の本願力、利他行、慈悲を強調することである。そして極楽浄土は唯一無二の最高の世界であると位置づけることで、被救済の平等性と、救済後の平等性の双方を獲得している