迦才『浄土論』には、慶安二年版と慶安四年版の二種類が存在する。慶安二年版は上下巻しか存在しない。慶安四年版は粗雑な慶安二年版を短期間で出版し直したものであるが、その初版、後刷り本の形態から、慶安二年版は中巻が散逸したのではなく、始めから出版されていなかったのではないかと推測した。