キーワード:『大乗大義章』、鳩摩羅什、廬山慧遠、仏身論
『大乗大義章』は鳩摩羅什が廬山の慧遠の質問に答える形で交わした問答の記録である。中国において初めて本格的に仏身について論じたものである。その中でどのような仏身の規定・区別をしているかという点について論じた。慧遠の質問では、仏の法身と法身菩薩の区別がなされてない点があり、また後世の三身論で法身・報身・化身に当たる仏身をすべて「法身」と呼んでいることが、混乱の一因となっていることを指摘した。また『大乗大義章』では、修行階梯によって感得する仏身が相違する