キーワード:『大乗大義章』、念仏三昧、廬山慧遠、鳩摩羅什、仏身論 廬山の慧遠と鳩摩羅什の間で交わされた質疑応答の書簡である『大乗大義章』において、慧遠は、「『般舟三昧経』では念仏三昧を多く夢に譬え、その三昧中で仏に見え問答して疑いを決す、というが、その仏はいったい何処から顕現するのか」ということを鳩摩羅什に質問している。その質問に対する鳩摩羅什の回答から、念仏三昧とその対象となる仏身がいかなるものとされていたのかを考察し、『大乗大義章』における仏身を明らかにした。