令和2年度は、平成30年度及び平成31/令和元年度の研究成果を、単著『「大学教育と社会」ノートー高等教育論への誘い―』(学文社、2020年9月刊行)としてとりまとめた。同書の中で中華人民共和国、香港、オーストラリアへの訪問調査の成果をまとめている。また、令和2年度には引き続き国内および中華人民共和国の研究大学を訪問し、調査を継続する予定であった。しかし、平成31/令和元年度末から世界に広がったコロナ禍の影響を受け、中華人民共和国への出張は取りやめとなり、全国に発出された緊急事態宣言のため、国内研究大学への訪問調査も取りやめとなった。年度末のコロナ拡大が終息しつつあった時期に何とか、国内の二大学に対する訪問調査を部分的に実施した。しかし、不完全なものであり、令和3年度の研究計画を全面的に見直し、また調査方法においても、オンライン会議システムを使用して行うなど、見直しをしなくてはならない状況に至っている。国内外研究大学の訪問調査は本研究にとっての中核部分であり、これなしには研究を進められない。したがって、最悪の場合には研究期間の二年延長を申請することも検討している。