本研究の目的は、日本の国立大学において教学マネジメントを最適化する組織構造と機能を検証することである。具体的には、第一に、国立総合大学における教育執行部および教育本部機構の組織体制を類型化し、その日本的特性を明らかにする。第二に、教学関連の課題について、学内の意思決定と合意形成の過程におけるコンフリクトの発生要因を特定化する。本研究では、教育本部機構の構成メンバーが入れ替わるなかで、「協働型リーダーシップ」の考え方に基づく相互の信頼関係をいかに形成し、組織文化を持続可能なものにするためにどのような工夫が必要かという点に着目する。