キーワード:点石斎画報、清朝末期、Marine Paintings、The Illustrated London News、トレード画
中国の伝統絵画において「海」は積極的に選定される画題ではなかった。ところが清末に至り、その状況に変化が生じる。すなわち「海の絵(Marine Paintings)」が目に見えて描かれるようになったのである。本稿は、その新たなる状況に着目し、当該現象の思想的・社会的背景に迫ろうとするものである。考察のための主要材料としては『点石斎画報』(1884年創刊)初集収載の1076