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雌WBN/Kob-fattyラットの糖尿病および膵炎発症に対する制限給餌の影響(The Influence of Dietary Restriction on the Development of Diabetes and Pancreatitis in Female WBN/Kob-Fatty Rats)
WBN/Kobラットに肥満遺伝子(Leprfa)を導入したWBN/Kob-Leprfa congenic系ラットのホモ個体WBN/Kob-fatty ratは肥満2型糖尿病モデル動物であり、雌雄共に全ての個体で糖尿病発症することが明らかとなっている。従来、糖尿病非発症であった雌WBN/Kobラットの糖尿病発症への過食・肥満の関与を調べるため、制限給餌により体重増加を抑制し糖尿病発症の有無について観察を行った。動物は、WBN/Kob-lean rat(非肥満個体;+/+、+/fa)5匹、WBN/Kob-fatty rat(肥満個体;fa/fa)10匹を用いた。非肥満個体は餌を自由に摂取させ摂餌量を計測した。肥満個体は2群に分け、5匹は制限給餌、5匹は自由摂餌による通常飼育を行った。給餌量は同日齢の非肥満個体の摂餌量を基準にした。制限給餌は3週齢より行い3ヵ月齢で解剖した。制限給餌群では糖尿病は認められなかった。膵炎は軽度であるが5匹中3匹に認められた。制限給餌によって糖尿病発症が抑止され膵炎が軽減されたことは、過食および肥満が雌WBN/Kob-fatty ratの糖尿病および膵炎発症に重要であることを示唆している。しかしながら、膵炎発症は制限給餌では完全に抑制されないことが明らかとなった。(著者抄録) |